9月に「在宅の多職種チーム医療とケアを考える会」HOT-meetingのシンポジストとして参加してきました.「暮らしの保健室」がテーマでした.暮らしの保健室に参加している作業療法士としてお話ししてきました.その話はまたいつか.. なんといっても勉強になったのは,シンポジストの皆さんのお話し.
一番学びになったのは「緩和ケアを早期から行うことは利がある」という内容です. お話になったのは,川崎市立井田病院の腫瘍内科・緩和ケア内科にご勤務の西智弘先生.
『「がんをもって生きる」を支える』という題名でした.
・早期からの緩和ケアは,メタアナリシスでQOLが改善するという結果がある.(Haun MW.,et.al.,Cochrane Database Syst Rev.2017)
今年の春にがんで亡くなった知人は,抗ガン治療を終え(抗ガン治療はこれ以上効果がないという宣言があり,治療を担当していた先生がこの病院ではもうすることがないと言ったという話でした),緩和ケアに移行しようとしました.しかし,地域には緩和ケアをしてくれる資源(医者,看護師,そして通院し,いざとなったら受け入れてくれる病院)が少なかったのです.困ったその方は,引っ越しをして,緩和ケアを受けることが可能になりました.
緩和ケアを受けるのにも,いったい,どのように,なにを,どうしたらよいか,,,,ご本人はわからないのです.
抗ガン治療はもう終わりと宣言されているというショックがあり,緩和ケアって何をしてくれるのかよくわからず,それでも自分で決定していかなくてはならない.
なんて厳しいことだと思いました.
緩和ケアというのは,身体的苦痛に対応,精神的苦痛に対応,家族の困りごとに対応,スピリチュアルケア,と他分野にわたります.だれもが自分という個人にとって,病気は初めてで,わからないことだらけです.緩和ケアが治療の一歩目から始まるには,「緩和ケア=末期にやること,死を目前とした人が受ける」といった概念を取っ払う必要がありますね. 病と闘うだけではない生き方ってありますね.西先生のお話に新しい医療を見ました.
http://medg.jp/mt/?p=7160医療ガバナンス学会のメールマガジンに西先生のお話が記事となっているのでご参照ください.
,
)
chi